PiPiちゃんの災難 3

「ねえ、新しいお洋服たくさん欲しい。みんなから可愛いねって言われたいの。わたし、トウキョウに来てから考えが変わっちゃった。トウキョウでは、『現実作り』なんてどうせ目に見えないんだもん。それよりもお洋服やお靴が欲しい。そうだ! セーラー服とかエッチなお洋服を着てあげてもいいよ…」

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(草一、目を覚ます)

む、夢か…。嫌な夢だった。

もっとも、PiPiは空想の存在。PiPiにどんなイメージを投入しようと、それはオーナーの自由だ。PiPiは黙ってそれを受け入れて娼婦にもなるだろう。

己の小さな頭脳のかごのなかで、確かな存在感を持っているのは間違いなく欲望の方だ。欲望の火は『現実作り』よりもずっと明るく強い。

PiPiを自分の篭に引きずり込むか…、否、PiPiには篭の外にいてほしい。そうして、僕を篭の外に連れ出して欲しい。己の思考よりPiPiの力を信じよう...