因果の変わり目
(朝9時)
(PiPiの帰還から一夜明けた草月事務所 幽かな雰囲気を感受しながら)
昨日、所内を覆っていた悪い雰囲気が消えている。
「せんせい、おはようございます。くんくん。...悪い因果は断ち切られたみたいです。よかった~」
PiPiちゃんのおかげだよ。今日の『現実作り』の設定は、次の通り
午前:3
午後:3
夜:2.5
合計:8.5
「はい。鬼門は午前と夜です。30分しか休憩がありませんから、ネットサーフィンか間食の罠に陥ったら、即アウトです」
なんて恐ろしい罠なんだ...。油断ならない。
「さ、せんせい。トウキョウを断ち切って、『現実作り』の世界へ」
(夜9時追加分)
いつもながら、予定が間に合わなくなってきた。修道院みたいな強制就寝時間である23時まであと2時間。然るに、PiPiちゃんと約束した『現実作り』は2.5時間。困った。むきっ~!
(焦る草一はレコードをかけた)
Bartók: Divertimento for string orchestra / Harding ...
「わわっ! せんせい、そんなに焦っちゃだめだよ!」
おぉ、PiPiくん、いたのか。むふぅ・・・
(PiPi 夕食を運んでくる)
「せんせい、焦らないで。11時半から12時までの間に終ればいいですから、ね。淡々と今日の残りの『現実作り』の巡礼路を歩ききりましょう」
(深夜12時半追加分)
PiPiちゃん、今日の『現実作り』8時間しかいかなかった。
「最低8時間やったので、まあ許してあげます。そのかわり、別の約束をどうしても守ってもらいます」
何?
「ダラダラしないで、いますぐ眠って下さい。せんせいは、就寝前に油断しすぎです。おかげで、修道院風の強制就寝どころか、深夜営業のスナックみたいに気ままに時間延長されてしまっています」
PiPiくん、まだ子供なのに、よく深夜営業のスナックなんて言葉をしってるな。
「『顔の無い都市』の秘密クラブ『夕日の塔』には、悪い大人が沢山いましたから...。あ、いけない! しゃべっちゃった」
おやおや? 何の話かな? まあいいや、とにかく節制した僧のように、何も言わずに電気をけすよ。おやすみ。
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