夏期休業10
(午後1時半)
PiPiちゃん、おはよう
「おはようございます」
昨日約束を破ったから、やはりお顔を見せてくれないか...。
今日も、終日自室で『現実作り』します。砂漠の悪魔ならぬ白壁の悪魔と徹底的に戦うつもりです(草一 そっと所長席に戻りかける)。
「パブロフの犬のように」
え...?
「せんせいはPiPiのこと見たら、幸せな気分になりますか?」
もちろん!
「なら、約束を守って、PiPiにおいしいもの食べさせて下さい。そしたら、PiPiはもっとも〜っと、せんせいを気持ちよくしてあげます」
PiPiに魂を与える方法、それは『現実作り』の巡礼路なり...。今日こそ約束守って、たらふく食わせてやる。食べ過ぎてお腹壊すなよ~。
「ふふ、ご心配には及びません。PiPiは超カスタム仕様のDDH-01です。せんせいのイマジネーションを、いくらでも受け入れる大きな器を持ってますから。エヘン!」
言ったな~。それじゃ、今日の『現実作り』を始めよう。
(PiPi テレビを見ながら言う。「せんせい、初音ミクちゃんもまた、大勢の人に魂を吹き込まれた『顔の無い都市』の存在だね」)
Hatsune Miku - MELT [Live] 1080HD - YouTube
(深夜1時追加分)
(薄暗いランプの草月事務所)
むむ、いかん。やはり追い込まれてきた。残り3時間しかないのに『現実作り』が3時間残ってる。ダメかも...
「冷えたビールと水、好きな方を選べ」
また、出てきやがったか。しかし、残念だったな。最近は慣れてきたから、もう貴様の誘惑には惑わされんぞ。
「うふふっ♡ せんせい。猫おじさんの目の高さからみたら、PiPiがどう見えるか知ってる?」
なんと、新手の誘惑か...。よりにもよってPiPiちゃんを利用した幻術とは、白壁の悪魔、卑怯なり~。
...それにしても、猫おじさんの目線というと、いつもこんなだから(草一 日頃の猫おじさんを思い浮かべる)
はっ! あやつ、まさかこれのために!! 最近、用も無いのに草月事務所に入り浸って...
「せんせい、ねえってば。目を覚まして!」
ハッ。PiPiちゃん。夢を見てたみたいだ。
それにしても、残念ながら今日もダメかも。昼間の約束、果たせなくてすまない。
「せんせい、自室でとことん自分と向き合うのは、大変だよ。長年の悪習は容易に変えられないからね。
でもね、ここからが大事ですよ。いいですか?
せんせいは、今日も昼間サボれるだけサボって、昔と全く変わってません。まだまだ悪習から抜けてません。
では、今日の残り3時間はどうしますか?
いままでと同様に破れかぶれになって麦酒を飲んで『夕日の塔』に堕ちますか?
それとも、負け戦でもいいから、あさ4時までしがみついて『現実作り』を続けますか?
悪習からは容易には抜けられない。せんせいは高潔な高僧でもなんでもないんです。情けなくも泥臭い努力が必要です。
でも、今日諦めずに朝まで歩き続けられれば、1ミリくらいは因習から脱却できると思います。PiPiは、その1ミリのために付き合います。それを何百日だって積み重ねて、脱却できるまで付き合います。
ね!」
むぅ、PiPiちゃんの言うとおりだ。昔のように放棄はしない。あと3時間歩き続けることにしよう。
(4時追加分)
昼間から夜にかけて油断しすぎました。座ってる時間は長いですが集中力が低いので差し引いて、本日『現実作り』は6.5時間とさせていただきます。なかなか伸びず、ごめんなさい。
6.5 227 -8