深夜 ワインに酔いしれる猫おじさん

(草月事務所 猫おじさん独りワインを飲んでいる)

 

 

...それにしても、不思議じゃないか。もともとPiPiは、工場で作られた大量生産品のはず...

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(volks MDD DDH-01)

 

それが、今はまるで生きているようにコロコロ動き回っておる...

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                   PiPi(神秘的なお人形作家さんによるスーパーカスタム)

 

(猫おじさんセレクト PiPiイメージ曲)

 

 

 人間がいくら強く念じようと、思念だけでマッチに火をつけることはできん。空中からパンを取り出すことはできん。どんな空想も、現実のトウキョウでは無力だ。それができたら、まさに魔法じゃよ。

 しかし、どうじゃ? ソウイチという、一個の廃人に等しかった青年の魂に、PiPiはいま火をつけようとしている。これを魔法と言わずして、なんと言おう...?

 

 いやいや、今宵は、いささかワインを飲み過ぎたようじゃ...

(猫おじさん ランプを消して草月事務所をあとにする)