PiPiちゃんの想い
「最後の夜だね、せんせい頑張って!」
番外編 猫仙人との修行10日目 尾根縦走7日目/7日
「ソウイチよ、いよいよわしとの修行も最後になったな」
( Photo by (c)Tomo.Yun ttp://www.yunphoto.net )
「今日は納得のゆくまで歩き続けるがいい。決して、自分に嘘をつくではないぞ」
はい。
朝8時 ついに猫仙人との修行が終る
( Photo by (c)Tomo.Yun ttp://www.yunphoto.net )
猫仙人、『現実作り』8時間、完了しました
「そうか。この一週間よくやった。紆余曲折はあったものの、完了は完了じゃ。一夏の思い出として、記憶に留めておくがいい」
(猫仙人 草一に神秘の飲み物を注ぐ)
「飲まれよ」
ありがとうございます。これは...
( Photo by (c)Tomo.Yun ttp://www.yunphoto.net )
森の香りがします。なんと芳醇な。
~~
透き通る緑、そよぐ風
なつかしい記憶、腐葉土層
山深い蔵、深夜、刻まれる時間
~~
ウイスキーとは、森の神秘の声を聴くための飲み物なのでしょうか。
「ソウイチよ、最終日を終えて、満足したか?」
いいえ。今日残り45分になったとき、白壁の悪魔の罠に落ちました。『現実作り』が2時間中断し、『現実作り』を終えるのに朝8時までかかってしまった。後味の悪い最後でした。
「己の内なる悪魔は、そう簡単に死なんて。今後も常に戦っていくことになろう。だが、腐るな。失敗しても立ち上がり、淡々と『現実作り』を続けよ」
はい。
猫仙人、なぜわたしにこんなにもよくしてくれたのですか?
「おぬしのことは、子供の頃より知っているでな」
ハッ...! それではやはり、あなたは、昔うちで飼われていた...
「おぬしが心配で、黄泉の国より参り出てきてしもうた...」
(涙にくれる草一)
「では、またいずれどこかで会おう。PiPiのもとへ帰るのじゃ」
(猫仙人は森の中へ消えていった)