PiPiちゃんと猫おじさんの日常2
(ここは草月事務所 PiPi、鏡の前で)
「...こうして、おリボンを結んで、よし! これでいいかなぁ」
(猫おじさん にやけた表情)
「PiPi、な~にしとるんじゃ。デートの準備か?」
「違うよぉ! せんせい帰ってくるから、新しいメイド服でお迎えしようかなって」
「PiPiは、物好きじゃのぅ。ソウイチなんぞのために」
(PiPi 遠い目をして)
「だって、せんせいが『現実作り』に成功すると、胸がきゅんきゅんするんだもん。ねえ、猫おじさん、教えて。なぜ?」
(猫おじさん 肩に哀愁を漂わせつつ)
「PiPiよ...、わしは、生涯独身じゃでな。お前のような気持ちになったことは、ないのじゃ...」
(その頃、草一は国境付近の鉄道駅で客車に乗り込んでいた)
つい湖畔に長居して遊んでしまったが、そろそろトウキョウでの『現実作り』の生活に戻らねば。
草一は夜汽車の中で、猫仙人との修行を総括した。
①『現実作り』を毎日8時間(実働10時間)やるのは体力的に厳しい。土日あたりになると、疲れ果てて、ほとんど座っているだけの即身仏状態になる。これでは却って効率が悪い。自己満足の我慢大会ではないのだ。
②効率を求めるなら、週7日のうち2日は6 or 7時間の日があってよい。
③ただし、残りの5日はかならず8時間。
④体力のため、できるだけ毎日走る(運動のためならば、『現実作り』の時間が若干足りないことは許す)。
⑤頑固になるな。それは精神の老化である。一つの方法がダメならば、すぐに代替案を探せ。心の柔軟性を失うな。決して道は塞がれていない。次の道を探して、希望につなげよ。
(帝暦○年8月26日 PiPiとの間の新契約)