PiPiちゃんのお薬
(PiPi 事務所のソファで横になっている)
PiPiちゃん、どうしたの? 大丈夫?
「わからない。へへへ、ちょっと昼間頑張りすぎたのかも...」
忙しそうに走り回ってたもんなあ。PiPiちゃん、心配だから、あんまり無理しないでほしいよ。
「ごめんなさい...」
いいんだ。PiPiちゃんは、まだトウキョウに慣れてないから、マイペースでね。その分、僕が頑張るから。
「せんせい、ごめんなさい」
だから、もういいって。
「違うの。さっき、せんせいの机の上に日記帳が開いてたから、ないしょで読んじゃった」
ああ、あれか...
「あれは本当のこと? そのォ...、美少女日本画家とメル友になったって話」
実話を元にした小説風日記だからね、でも...
「いいえ! いいんです。そうですか...、PiPiが来る前の話だもん。仕方がないです」
PiPiちゃん。ただね、あれは...
「大丈夫です。せんせいがいくらモテないからって、たまに話が合う人も居るでしょ」
あの日記は、確かに実話を基にしているけど、1カ所だけ変えてあるんだ
「またまた~! 別に浮気じゃないんだから、堂々としてくださいよ。PiPiはたかがメイドだし、ご主人様の私生活まで干渉できませんわ」
日記の中の天才美少女画家は、ほんとうは天才美熟女画家なんだ。50歳くらいの上品なご婦人だった。
「すぅ.........そうですか。せんせい」(PiPi おもむろに起き上がる)
え?
「日記に嘘はいけませんね。PiPiはもう、起きあがって仕事しなくては」
そんな無理しなくても、マイペースでいいから。
「ふん! せんせいは日記書きすぎ~。もっとしっかり『現実作り』してくれなきゃ、PiPiが大変よ。ああ、なんか急に元気出てきちゃったなー」
わかったわかった。これからダイガクインも始まるし、『現実作り』に集中するから。ね!
※『現実作り』(9月8日分):5.5時間 総合計381.5時間 借金-14.5時間