作戦会議（『現実作り』の記録をとる）

「こちらをご覧下さい。PiPiが作った記録ノートです。これまでのせんせいの行動を分析して、独自開発しました。３週間分の『現実作り』を棒グラフで記録します。せんせいの課題である集中度、サボりやすい項目（運動、朝夕の暗記など）、白壁の悪魔の誘惑（酒、間食など）のチェック表もあります」

「イメージとしては、こんな感じで記録していきます」

　なるほど、これなら毎日どれくらい『現実作り』をやっているのかが一目瞭然だね。PiPiちゃん、でかした！

「ありがとうございます！　長く記録することに意義があると思います。主観を入れず、機械的に淡々と記録していきます」

それがいい。

①棒グラフが常に赤ラインを超えられるように頑張ろう（この段階では集中力は二の次）

②『現実作り』が8時間を越えた日が、週７日のうち４日以上になったら、『現実作り』の質（集中力、間食しない等）を上げ、様子を見ながら運動を取り入れよう

③最終的な理想型は、集中力を確保したまま黄金ライン（１０時間）を常時超えて、更に１時間の運動を確保、朝夕の暗記、ということになるね

「まあ！　せんせい、欲張りですこと。６時間から８時間まで上げるのにも１か月以上悪戦苦闘してるのに。８時間から１０時間まで上げるには、プロボクサーのような摂生生活をする覚悟が必要ですね」

ただ、PiPiちゃん、これはあながち不可能ではないよ。というのも、『現実作り』は、『現実』であって現実じゃない。現実のプレッシャーに追われて無理矢理やらされてるわけではなく、自分だけの『現実』をつくる子供遊びなのだ。だから、チャレンジのおもしろさはあっても、イヤイヤではない。トウキョウの現実を『顔の無い都市』の『現実』へ変換し、『顔の無い都市』のパワーをトウキョウに転移する方法。これが『現実作り』の巡礼路なのだよ。

「うふふっ。それに、『現実』にはPiPiも住んでるもんね！  それでは、今後も『現実作り』の巡礼路はますます険しくなって参りますが、本日も８時間越えを目指して頑張るぞ～！！」

 （深夜２時追加分）

PiPiちゃん、生活リズムを２時就寝に変更するため、もうねるよ。今日の『現実作り』は3時間だった。

「はにゃーん！　随分崩れましたね」

大成功の翌日は、いつも大崩壊するんだ。今日は更に、夕食後に戦友から電話がかかってきて、最終大戦の情報交換を３時間してしまった。それで、一気にリズムが崩れて、あとは漫画読んだり、物を食べたり散々だった。

「戦友との情報交換も大切です。それにしても、不意の出来事が生じると、せんせいはメンタルコントロールが全然効かなくなりますね。これについては、今後の課題としましょう」

まったく、昨日、司法試験の『現実作り』を設定したばかりなのに、不甲斐ない。ごめんなさい。

「いくら大きな目標を掲げても、その人が出来ることは何も変わりません。大目標は打出の小槌ではありません。ただ、これまで通りの地道な『現実作り』を続けていくしかないのです。でも、今日は何も考えずに寝て下さい。あっ、就寝前の暗記を忘れずにね」

 ※『現実作り』（9月10日分）：3時間　総合計393時間　借金-19時間　暗記