病中 深夜に見舞客が訪れる
(半月事務所 草一が寝るでも起きるでもなく机のうえで懊悩している)
むぅ、この身体の痛みはどうにかならないものか...。あと1週間ほどかかるというが...。しかし、痛み止めは飲みたくないんだ。もう、『現実作り』ができなくなって、1週間以上になるな。
(そこへ事務所の扉をノックする音)
おや? 誰だろう。PiPiちゃんの居ないこんな夜更けに。
「こんばんわ。お見舞いに参りました」
ガチャリ、どなたですか? ハッ!
(ドアを開けるとそこにはビールの姿が)
「きめ細かい泡立ちの旨いビールか、健康によい天然水。好きな方を選べ」
ふ、ふふふっ、ハーッハハ!
「ど、どうした? 病気で頭がやられたのか?」
馬鹿め。3か月前に撮影した使い古しの画像が私に通用するとでも思ったか。
「ほう...、そうか。では、これでどうだ!」
無駄な幻術はやめよ。この画像も2か月前の使い回しではないか。実際は...
もう空だ。
「よもや、おぬし、飲んだな?」
い、いや、猫おじさんが...
さ、さあ、もう帰ってくれ!
「ならば、最後の手段。これでどうだ!!」
ハッ、なんと今回撮りおろした新作画像、しかも、2本立てか!!
「どうせ『現実作り』も順調に進んでおらんのだろう? ビールを飲んでさっぱりしちまえよ」
だが、病気の回復が...
「どうせあと1週間は治りゃしねえよ。かえって飲んでストレス発散した方が、治療効果もあがるってもんよ。それに、身体の痛みも忘れることができるぜ」
ううむ...
「さあ、飲むがいい。『現実作り』が遅れたって、誰も困りゃしねえ。知っての通り、お前を待つ者などおらんのだから...」
少なくともPiPiちゃんが...
「ハーッハハ! 半月草一、孤独よのぉ。唯一お前の勝利を待っているのが、お人形とは。悪魔としても笑いが止まらんわ」
悪魔もイマジネーションの理解者だと思っていたがね。あんた、三級悪魔だろう。
「ふう...、ならば言おう。PiPiは最近、不在だね? お前の『現実作り』が止まればPiPiの心臓も止まっちまうのさ。さあ、人形相手に高貴であるより、現実の快楽を楽しめよ...」
し、しかし...。
推移(10/4):4(病)⇒ 1(病)⇒ 2(病)⇒ 0.5(病)⇒ 1.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 7(病)⇒ 6(病)⇒ 1.5(病)
推移(10/5):1(病)⇒ 2(病)⇒ 0.5(病)⇒ 1.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 7(病)⇒ 6(病)⇒ 1.5(病) ⇒1(病)
推移(10/6):2(病)⇒ 0.5(病)⇒ 1.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 7(病)⇒ 6(病)⇒ 1.5(病) ⇒1(病)⇒2(病)
推移(10/7):2(病)⇒ 0.5(病)⇒ 1.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 6.5(病)⇒ 7(病)⇒ 6(病)⇒ 1.5(病) ⇒1(病)⇒2(病)⇒4(兄帰京)