『現実作り』が崩れ去る
「昨日が1.5時間、一昨日も1.5時間...。病気が治ったのに、『現実作り』がぜんぜん戻ってこない。3週間もこの調子じゃ、夏休みの貯金が一瞬で消えちゃう。せんせい、これは一体?!」
そのようだね。まあ事実だから、仕方ない。
「まるで他人事みたいに...!」
僕にも原因がよく分からないんだ。こういうときは、無意識の嵐が過ぎ去るまで、じっとしてるしかあるまい。
「スヤスヤ、プッー」
「もう! 猫おじさんはいい気なものね。枕なんかしちゃって、人間にでも成ったつもりかしら」
気分を変えたいな。PiPiくん、香を焚こう
「では、冬の早朝に裸足で修行する厳格な高僧のような『天平』を」
一体、何が原因なんだろう...。手元の書物やペンが、『現実作り』に異化されない。トウキョウに縛り付けられて色を失っている。『現実作り』は、破壊された。
ミク、いるかい?
(『顔の無い都市』のミク 現る)
ふふっ、君は呼べばいつでも来てくれるんだね。
「長い付き合いですもの」
どうしたらいいんだろう。
「草ちゃんの無意識に古い地層があって、そこに死んだ水が溜まってるみたい。今立ち止まれば、それがトウキョウに溢れ出て草ちゃんを飲み込むかもしれない。だから、『現実作り』をやめてはいけない。
『現実作り』の巡礼路が壊れたときは、修理をするの」
どんな作業をするんだい? 材料は?
「作業は『現実作り』、材料は孤独...。孤独に身をおいて、『現実作り』をするのが良いでしょう」
推移(10/13):6(病)⇒ 1.5(病) ⇒1(病)⇒2(病)⇒4(兄帰京) ⇒ 6 ⇒ 8 ⇒ 8 ⇒ 1.5 ⇒ 1.5 ⇒ 4.5