PiPiはこども。単純なんだから!
(深夜 今日一日の失敗を嘆き、本を放り出す草一。ほろ酔いの猫おじさんがちょっかいを出す)
「ソウイチ、お前は失敗が分かっているなら、最初から何もしないのか? 失敗しない優等生君、悲しいピエロじゃの。考えるな、感じろ。ホレ、達人の酔拳を見せてやる。ヒョ~ッ!」
猫おじさん、無駄な写真容量を使わないでもらえますか。ただ、昼寝写真を縦にしただけでしょうが...
「年配者に向かって、なんたる言いようじゃ! ソウイチ、わしは傷ついたぞ」
「二人ともやめて。確かに、考えすぎはせんせいの悪い癖です」
「予定通りに行かなくたって、失敗が分かってたって、別にいいじゃありませんか」
だが、目標達成できないなら、最初からやったって無駄だよ...。明日また、がんばろう。
「もう! いま修正できなければ、明日も引きずるわよ」
「もういちど、『現実作り』の復習~!!」
「いいですか。人は、頭だけで『現実作り』をするわけではありません」
「動かす足の筋肉、流れた時間、走らせるペン先、めくったページの葉数の積み重ねで『現実作り』をするのです」
だが、そうは言ってもね...。
「ま~だ頭で考えてる。勝手な理想と現実を比べて悲観するなんてバカバカしいよ。目の前に『現実作り』の巡礼路があるんですよ」
うーむ。
「PiPiはこども。単純なんだから! 目の前に道がある。なら、歩こう! せんせい、頭空っぽにしてPiPiについて来て」
ソフビ人形のPiPiちゃんは、僕が動かしている。PiPiちゃんの言葉は、僕の言葉のはず。だが、時として僕を超えることがあるような気もする。今日のところは、PiPiちゃんについて行くか。