向こう見ずな完璧主義は怠惰というもの...
(ここは草月事務所 深夜23時半)
「せんせい、作業の進み具合はいかがですか」
なんと、朝やった魔論文憲法過去問の答え合わせがまだ続いてるよ。一問中にさまざまな罠が仕込まれていて、人を騙そうとしてくる。これらの棘を一つ一つ慎重に分析すると、膨大な時間がかかってしまうんだ。
「なるほど」
巻物を取り出して調べたり帝国判例集を漁ったりで時間がかかって、まだ模範解答すら読めてない。こりゃ、明朝まで徹夜しなきゃ...
「ですが、せんせい。それはいけません! 途中ですが寝て下さい」
えぇ? でもこのままじゃ、新たな魔論文の訓練を始められないよ。
「いいんです。今日できなかった分は、もう捨ててください。これは一発きりの打ち上げ花火じゃないんです。お祭り気分で派手に1日だけ頑張って、明日以降続かないんじゃ意味がありません。向こう見ずな完璧主義はむしろ怠惰というものです」
確かに。PiPiちゃんの言うことも一理ある。いま最重要なのは、1日1問魔論文の実戦訓練を強行し、魔論文全体の傾向を把握することだ。緻密な研究は2回目、3回目の時に掘り下げればいいか...
「おっしゃる通りです。さあ、残りは忘却の彼方へ置き去りにして、さっさと寝て下さい。明日は6時半起き~! それができなきゃ、せんせいは最終大戦で間違いなく...!」
はいはい...