最終大戦の果たし状
(草一の独白)
ふと気づけば、もう深夜か。朝からずっと『現実作り』をしていた感じだなあ。薄暗い氷雨に閉じ込められていたせいか、却って集中できたようだ。
これを書いて、明日出願しよう。
「せんせい、これ何ですか?」
これが最終大戦の果たし状だよ。これを帝国法務省に郵送すれば、あとは死のうが生きようが、強制的にコロシアムに引きずり出されることになる。
「ひぃっ! せんせい、怖いです...」
PiPiちゃん、これでいよいよ後戻りできなくなってきたね。
「なんで、わざわざこんな恐ろしい決闘に参加するんですか?」
ふふっ。これに勝てば、トウキョウにも草月事務所の支店を作れると思ってね。そしたら、貧乏でもいいから、PiPiちゃんとふたり、おもしろおかしくやっていこうよ。
「PiPiとせんせいは運命共同体。もちろん、ずっと一緒」
生きるときも死ぬときも...
「うん。もし最終大戦に敗北して、せんせいとPiPiの作った『現実』が、帝都の強大な現実の前に敗北したとき、空想エネルギーはゼロになってPiPiも死んじゃう」
そうならないように、これからガンガン飛ばして『現実作り』の巡礼路を突っ走ろう。道先案内を頼むよ
「はい」