ダイガクインの最終試験終る
PiPiちゃん
「はい、せんせい」
最後の期末試験が終ったよ。土壇場で落第というパターンにはならず、卒業できると思う。
「長い間、おつかれさまでした」
今日くらい、ゆっくりしてもいいと思うけど、空いた時間を何で埋めるか…。
「食欲やお酒で埋めますか?」
いや、PiPiちゃん。そうはしない。
「ええ、なんでなんでぇ~! せっかく試験が終ったのにぃ~!!」
心の空虚を埋めるものは、いろいろある。肝胆の弱い者は、ここぞとばかりに『夕日の塔』の誘惑にのって、酒色に我を忘れてしまう。
でも、それは忘れているだけなんだ。空虚は確かに存在する。だから僕はそれを、酒や物や欲(『夕日の塔』)で埋めるのではなく、手の届く等身大の自分の『現実』で埋めたい。そう、『現実作り』で埋めるようにしたいね。
「ふーん」
まあ、暇な時間を『現実作り』で埋めたいと思えるようになったら、いよいよ、僕も『現実作り』の巡礼者らしくなってきたってことかな。さ、今日は時間を決めてガツガツやるのではなく、すこし気ままに進んでみよう。
「はーい!」