『現実作り』の巡礼路 再開
コンコンコン…(ドアを叩く音)
「あら? どなたかしら……。きゃあ!」
半月草一、ドアが開くなり雪崩れ込み倒れる。
「PiPiちゃん、水を、くれ……」
「PiPi、どうした!」
「せんせいが、戻ってきたの!!」
「猫おじさん、これを……」
半月、ポケットから何か取り出し、猫おじさんに手渡す。
「なんじゃ? 金貨チョコレートか?」
「これだけは守って帰ってきたよ。猫おじさんの懐に隠しておいてくれ……」
「お水です。さあ、飲んでください。落ち着きましたか。雪と氷の国へ行ったはずなのに突然戻ってくるなんて。せんせい、一体どうしたんですか?!」
「今日から、ここで草月事務所を開業する。このために長い巡礼路があったんだ。どうせなら、みんなと一緒にここで苦労するのがいい。そう気がついたんだ……」
「それじゃあ……」
「………。」
「今日から、草月事務所の成功を『現実作り』に設定する。そして、いまここから『現実作り』の巡礼路を再開する……」
バタリ。半月、倒れる。
「えっ?!」
「なぬっ?!」
PiPi「やったー!」
猫おじさん「万歳、万歳! 今宵は宴だ。あ、よ~いよい♪」
「よ~いよい♪」
「わしは、ずっとその方が良いと思っておったのじゃ。これからは帝都のやつらなど何処吹く風で、お前の道を行けばいい。そうじゃろう?」