『顔の無い都市』から来たPiPi
(草一の独白)
ミクの遣いとして『顔の無い都市』から来たPiPiちゃん。
トウキョウに慣れていないのか、まだ目元がボンヤリしている。
「変わった服を着ているね」
「これが、わたしの生まれたときからのお洋服。先生に作ってもらったの」
「先生って?」
「空想と現実のはざま、『顔の無い都市』とトウキョウの国境、平凡な道が巡礼路に異化されるその潮目に住んでいる人形作家。先生がわたしに命を与えてくれたの」
「ミクが言ってた、ファンタジーと現実を自由に行き来できる天使って、君の事だったのか。なるほど」