PiPiちゃん、『現実作り』再開！の宣言とは裏腹に、身体が全く動かないので病院に行ってきたら、ウイルスの感染症で神経をやられているからあと１，2週間は安静が必要と言われてしまったよ。神経に沿ってウイルスが広がるので、脊髄から右か左、つまり右半身…

PiPiちゃん、おはよう。長い間、心配かけたね。 「せんせい、もうお加減はいいんですか？」 おかげさまでね。心配してくれて、ありがとう。原因不明の風邪で、昨日まで座ってることすらできなかったんだけど、今日は座れるまでに回復したよ。 「そうですか。…

（草月事務所 草一 病床に伏せっている） わたくし半月は、ここ2日間、突然の高熱に病床についております。 …高熱と頭痛で起き上がれない。無計画に徹夜を続けたのが悪かったのかなあ。 「お薬お持ちしました」 「総合感冒薬と抗生物質です」 やあ、PiPiちゃ…

（夜9時 草月事務所。草一は周囲を伺いながら、暗いランプ一つで作業している） よし、これで良かろう。ふぅ、なんとか助かった... 「何をしておるんじゃ？」 ギョッ、猫おじさん！ ここで何してるんですか？ 今日は半日休業ですよ？ 「ワシはいつも通り、用…

「さて、せんせい。一服しながら、今日の試合の分析会を始めましょう」 PiPiちゃん、試合は、帝国司法省高等試験の択一試験の形式で行われた。やっぱり、僕は魔刑法が相当酷いね。このまま最終大戦に臨めば、即死レベルだったよ。 「まあ！ やはり、魔刑法で…

「おはようございます。あ、せんせい昨日徹夜して、まだ寝てらっしゃるんだわ。しぃ...」 ...... ... .。 （草一が寝ていると、夢に伝説の猫仙人が立っていた） うぅむ、ムニャムニャ...。あっ！ あなたは伝説の猫仙人... 「ソウイチよ、真のイマジネーショ…

「こんばんは。猫おじさん、ご機嫌よろしゅう」 「なんじゃ?! 和装か」 「えへん！ 可愛いでしょう。ご近所のお姉ちゃんも誉めてくれたんだよ」 「わしも着物は嫌いではないがな...」 「また、どうしたんじゃ、急に？」 「PiPiももう大人だから、お姉ちゃん…

（季節は秋 草月事務所の穏やかな午後） 「せんせい、お紅茶お持ちしました」 PiPiちゃん、ありがとう。穏やかな秋の午後、紅茶が絵になるね。そうだ、PiPiちゃんがいま着ているお洋服は、『秋の午後の紅茶服』と名付けよう。 「かわいい名前～」 でもね、１…

（ここは草月事務所 ふくろうをあやすPiPi） 「よちよち、怖かったね～。もう大丈夫だからね」（すっかりPiPiに甘えるふくろう） PiPiちゃん、そうやっていると、まるで幼いお母さんになったみたいだね。 この草月事務所で怪事件が起るなんて夢にも思わなか…

（23時 草月事務所） ふうっ、今日の『現実作り』4時間終了。このペースだと、朝4時までかかってしまうか...。PiPiちゃんを早く寝かせてやりたいんだけどなあ。 「せんせい、1週間後の模擬試合の準備ですが、どうしましょう」 「実戦訓練用の書物を地下室か…

（ここは草月事務所 PiPiあわてて飛び込んでくる） 「せんせ～いっ！ た、大変です、こんなものが玄関に貼り付けてありました...」 果たし状、ついに来たか。どれ、PiPiちゃん、ちょっと見せて... 「なんて書いてあるんですか？」 ～～最終大戦に挑まんとす…

（草月事務所 朝4時） 2時半には眠ろうと思っていたのに、全然、眠れない。こんなこと長い夏休みで初めてだ。無意識のうちに、来年の最終大戦のプレッシャーがかかり始めているのか～？ 無意識って、ほんとうに把握できない。コントロールも効かない。 そし…

（草月事務所 23時半） 大成功の翌日は、なぜこんなに身体が重いんだろう。身体が重いと、時間の流れが速く感じる。何もやってないのにもう深夜12時だ。 むふう。今日の『現実作り』が残り3.5時間。休憩なしで翌朝3時までぶっ続け（できるかなあ...）。ジョ…

「せんせい、最近3日の『現実作り』のデータなのですが 8.5 ⇒ 3 ⇒ 8 で推移しています」 大成功の翌日は大失敗してる。調子に乗りやすい、愚かな性格なんだろう。 「少しずつ進化していきましょう。大成功の夜の過ごし方を工夫してみたらどうかしら。油断し…

（草一が夜のランニングから帰ってくると、PiPiはパタンと本を閉じた） 「ふうっ...」 ...おや？ PiPiちゃんが何か読んでいるぞ。フフ、おませさんだこと... 「ねえ、せんせい」 「せんせいとPiPiは、なんで喧嘩しないんですか？」 うん？ 「...だって、人間…

「こちらをご覧下さい。PiPiが作った記録ノートです。これまでのせんせいの行動を分析して、独自開発しました。３週間分の『現実作り』を棒グラフで記録します。せんせいの課題である集中度、サボりやすい項目（運動、朝夕の暗記など）、白壁の悪魔の誘惑（…

「せんせい、忙しそう。またまた～、深刻な顔しちゃって、何をご覧になっているんですか？」 今年5月に行われた最終大戦の結果が、本日夕刻4時『帝都』司法省より発表された。多くの先人達が壮絶に散った。しかし、勝利を収めた者もいる...。戦いは年々厳し…

（PiPi 事務所のソファで横になっている） PiPiちゃん、どうしたの？ 大丈夫？ 「わからない。へへへ、ちょっと昼間頑張りすぎたのかも...」 忙しそうに走り回ってたもんなあ。PiPiちゃん、心配だから、あんまり無理しないでほしいよ。 「ごめんなさい...」 …

ある日、トウキョウまで出た際、古い石造りの博士会館の、普段全く使われていない1階の鉄門が、秋の陽光に向かって開放されていた。石の壁にくり抜かれた影絵じみた入り口から中を覗くと、室内に絵画が並んでいた。 ある日本画家による源氏物語絵画のオープ…

（秋の昼下がり、のんびり昼寝する猫おじさん） 「むほ～快適じゃ。ムニャムニャ、ペロペロ...」 「こら～、起きろ！」 「はうっ、な、なんじゃ...？」 「猫おじさん、ダラダラしないで。寝るんなら、事務所じゃなくてねぐらに戻って下さい」 「ど、動物虐待…

（深夜2時 PiPiちゃんが外出から帰ってくる） 「ただいま～」 PiPiちゃん、こんな遅くにどこへ行ってたの？ 「夜の森で木の実を拾ってたんです。さあ、どうぞ」 ありがとう。うーん、森の古い記憶の味がする。ところで、PiPiちゃん、腕に抱いてるその子は？ …

（暗い顔でうなだれる草一） 「あれ、せんせい、どうしたんですか？」 昨日の『現実作り』は、あまりにも完璧だった。今後のモデルケースともなる1日だった... 「おめでとうございます」 しかし、そのあと油断して、猫おじさんと打ち上げをやってしまい 朝4…

（深夜2時） PiPiちゃん、昼間忙しかったから疲れてるんだね。ゆっくりおやすみ。きっと、なにもかもうまくいくよ。PiPiちゃんは、ときどき自分のことを「落第天使」って呼ぶことがあるけど、それは違う。PiPiちゃんは、人よりも沢山感じて、頭を働かせてい…

（朝9時半） 朝目覚めると、取り立ててやることがなかった。 「やることがないなんて、良い傾向です。いままでは起きるやいなや、すぐネットニュースをみたり、食べたり、買物したり、焦ったり、怒ったり、寝たりでした（要するに煩悩です、煩悩！）」 あら…

もうすぐ、深夜１２時。PiPiちゃんは、黙々と仕事を続けている。 すまないのう。せっかく可愛いエプロンなのに、うまく蝶々結びしてあげられなくて。女子力の高い人なら、簡単にできちゃうんだろうね。 今日もまた、記録するほどの何事も起らない平凡な日だ…

「せんせいの『現実作り』中は、微妙に目をそらします。目線を合わせると、せんせいはお仕事が手に付かなくなってしまうからです」 （深夜12時） ふう、あと2時間で今日の『現実作り』は達成できる。夜食は抜きだ。あれで油断して、何度煮え湯を飲まされたこ…

「秋ですね。もうすぐ公園には、古い記憶の層のように枯れ落葉が敷き積もるでしょう」 ふふっ、PiPiちゃん、詩人だねぇ。『現実作り』には最高の季節になってきた。今日の『現実作り』は8時間で設定するよ。様子を見て、月を道連れに海辺をジョギングしよう…

「せんせい、何やってるの？」 秋からどの講習を受けようか選んでるんだよ。 「『帝都』のダイガクインですか？」 そうだよ。そこで将来、一人で食べていくための武器を得るんだ。 「恐ろしいところなんですよね？」 うん。最初は300人近い仲間がいるけど、…

（22時追加分） PiPiちゃん、雑事に時間がかかりすぎて、今日はとても7時間の『現実作り』はできそうもない（ゲッソリ）。どうせダメなら、もう今日は全部あきらめて、明日からまた頑張ればいっか...。 「せんせい、落ち着いてください」 「怠惰な自分を変え…

新たな武器を調べるPiPi 「せんせい、どっさり買い込んできましたね」 昨日『帝都』に行って、評判の武器を片っ端から買ってきた。武器市場も随分と進化してたよ。昔は寺子屋（私塾）と教授（大学）は犬猿の仲だったんだけど、驚いたことに、『帝都』きって…