草一 最終大戦の資料を受け取る
「せんせい、忙しそう。またまた~、深刻な顔しちゃって、何をご覧になっているんですか?」
今年5月に行われた最終大戦の結果が、本日夕刻4時『帝都』司法省より発表された。多くの先人達が壮絶に散った。しかし、勝利を収めた者もいる...。戦いは年々厳しさを増し、今年の生者は去年よりもなお減った。破れた者の末路は、かなり悲惨だと聞いている...
「7月末にやったコンクールとは違うんですか?」
最終大戦は、敵の強さも規模も、このまえのコンクールとは桁違いだ。いまの僕の実力のまま戦えば、間違いなく殺されるだろう...。
「そっ、そんな...」
PiPiちゃん、草月事務所開設の真の目的は、来年行われる最終大戦に勝つことなんだ。PiPiちゃんと僕は運命共同体。僕らの作った『現実』が勝つか、僕らの空想遊びが厳しい現実に打ち破られるか。
「はい」
一度だけ現実的な事を言うと、今日以降の『現実作り』は、平成27年司法試験合格に設定するよ。
「~~ここに半月草一の新たな希望を『現実作り』として設定します。『顔の無い都市』のミクの代理、『顔の無い都市』のPiPiの名において契約いたします~~」
「ハッ、もう大変! 急がなきゃ。せんせい、さっそく書物を30冊かばんに詰め込んで、24時間営業のファミレスまで自転車で爆走しますか?」
いや、PiPiちゃん。その必要はない。
夕食後にマラソンにいく。それが終ったら、これまで通りの『現実作り』だ。
「えっ? だって、時間に余裕がないんじゃ?!」
PiPiちゃん、僕らはいままで、何のために悪戦苦闘しながら『現実作り』をやってきたんだ。これから始まる大勝負のためじゃないか。焦って、これまで積み重ねてきた『現実作り』を捨てたらダメなんだ。こういう時こそ、これまでやって来たことを、精度を上げて淡々と繰り返すんだ。
「せんせい...」
そのかわり、勝つためには、『現実作り』の精度を上げる。これまで以上にスピードも集中度も上げる。朝晩は必ず15分間の暗記時間を設ける(就寝起床時の強制暗記はつらいぞ)。マラソンもやると決めたら、必ずやる。就寝は、これまでの経験上深夜1時半~2時がベスト。失敗は許さない。でも、やること自体は、これまでの『現実作り』そのものだよ。
「はい。せんせい、きっと...」
※『現実作り』(9月9日分):8.5時間 総合計390時間 借金-14時間 運動 暗記