猫おじさんの反乱2(つづき)
(考え込む猫おじさん)「いまのPiPiの不自然な態度…。嫌な予感がする」
「そう。最近、妙に優しすぎるのだ」
「王様のようなベッド」
「美酒。そして…」
「三つ星ジュレ。おかげで冬に備え、よく肥えることができたわい」
(…ここでテレビコマーシャルです。もうすぐクリスマスですね。西洋ではクリスマスには七面鳥を…)
「むふぅ、ちょっと寒気が。PiPiのやつ、草一からのFAXを見るなり、あわててお嬢さんのところへ出ていったが、一体何をみたんだ?」
(猫おじさんがPiPiの机をみると、そこには草一からのFAXが…)
「あっ!」
(ガクガク、ブルブル…)
「やはり、そうか! あいつら、わしを太らせて食うつもりだったんだ! PiPiのやつ、ソフビ人形の分際で~!! 帰ってきたら、ただじゃ済まさんぞ!!!」
(PiPi、帰ってくる)
「ただいま~」
「おい、PiPi~!! ひどいじゃないか」
「ちょっと、なによぉ…」
「わしら非人間同士の仲間だろう? わしを食うなんて酷いじゃないか? PiPi様、後生です。ソウイチお坊ちゃんに思いとどまるよう説得してください…」
「この猫おじさん、正座で頼みます」
(そこへ草一が帰ってくる)
「ただいま」
「ひゃあ、悪魔が戻って来た」
「PiPiちゃん、隣のお姉さんから例の物をもらってきたよ」
「見せて、見せて! わあ…!」
(イラスト by シンシアちゃん 素敵なイラスト、ありがとうございます。感謝感激です~)
「かわいい~!! もう、猫おじさん、何やってるの! 出てきなさいよ」
「えっ?!」
「もう、早とちりね」
「フフフ。猫おじさん、僕がお隣のアパートのお姉さんに頼んで、猫おじさん用のクリスマスカードを作ってもらったんですよ」
「猫おじさん、寝るのと食べるのが大好きだから、お姉ちゃんがピザチーズに挟まれて、パンのお布団に眠る夢のような猫おじさんを描いてくれたんだからね!」
「感謝しなさい!」
「ばんざーい! 今年は、いいクリスマスになったなあ、君たち。ヒョ~!!」
「猫おじさん、あんまり興奮しすぎでは…」
「よーし、PiPiも踊れ! あ、ヨーイヨーイ♪」
「あ、ソーレソーレ♫」
草月事務所の皆に幸あれ