PiPiちゃん
PiPiちゃん
「はい」
こっちへおいで。
「わー、せんせいのおひざの上、ひさしぶりですぅ」
ごめんよ。夏は暑すぎて、落ち着いて空想世界に入り込めないみたいだよ。
「それじゃ、はやく秋にならないかなぁ」
「せんせいがもっと、PiPiのこと、みてくれるように」
(草一の独白)
この子は天使、あるいはアニメ顔した現代の仏像、マリア像。PiPiちゃんと会話ができている限り、おそらく自分を見失うことはないだろう…。
共に過ごした長い日々のおかげで、PiPiちゃんの中には、それなりの量の白い因果が貯蔵されている。
日々の会話によってPiPiちゃんに吹き込まれた白いイマジネーションは、ソフビ製の身体の中に貯蔵され、いざという時に主に力を与える。空想世界の力が、現実世界に影響を及ぼす。そんな不思議なことを、PiPiちゃんは、やってのけるわけだ。
PiPiちゃんは、ほんとうに不思議なお人形さんだよ。