秋の午後の紅茶服

(季節は秋 草月事務所の穏やかな午後)

 

「せんせい、お紅茶お持ちしました」

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PiPiちゃん、ありがとう。穏やかな秋の午後、紅茶が絵になるね。そうだ、PiPiちゃんがいま着ているお洋服は、『秋の午後の紅茶服』と名付けよう。

「かわいい名前~」

 

でもね、1点だけ難点があるんだ。いま、PiPiちゃんは、珍しく首元を露わにしているだろう?

「ほんとだ! だから可愛く見えるのかぁ」

 

ふふっ。でもね、これは同時に恐ろしい事でもあるんだ。

「どうして?!」

 

 

PiPiちゃんは、『顔の無い都市』からパワーを得ているとはいえ、元々ソフトビニール製。そして、ソフビは色移りがしやすい。だから、今まではタートルネックの色移り防止タイツを着せてた。

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しかし、襟元の可愛いデザインを活かすために、今回はタートルネックはやめて、色移り覚悟で直接に服を着せているんだ。

  

(PiPi、首元から胸をのぞき込む)

「あ、ほんとだ」

 しかし、僕はいま迷ってる。可愛さを取ったばかりに、PiPiちゃんのボディが染まってしまうんじゃないかって...。早い場合には30分で色移りするそうだからね。のんきに『現実作り』をしている間に、ソフビと染料の化学反応が起って、PiPiちゃんの肌がどんどん染みに...。ジリジリ…

 

 

「で、でも...。スッポンポンじゃ、いられませんし...」

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 確かに、神秘的な天使製造人が魂を吹き込んでくれた、その唯一無二のお顔さえ無事なら、ボディは替えがきくが...。でも、PiPiちゃんには、真っ白なまま染まって欲しくないんだよ。

 

「せんせい、PiPiは染まるのは怖くありませんよ。あえて染まろうとは思いませんが、生きてくからには、染るのを恐れてばかりもいられませんもの。ずっとスッポンポンですむなら別ですが、それよりも...、ほら、こうしてせんせいと一緒に、穏やかな秋の午後にお紅茶を飲みながら、可愛いお洋服を着せてもらえるなら、PiPiは染まってもよいと思うのです」

 

うーん、でもなあ...

 

 

 

 

9/17の『現実作り』:8時間 総計442.5時間 借金-25.5時間
推移:8.5 ⇒ 3 ⇒ 8 ⇒ 6 ⇒ 6 ⇒ 8 ⇒ 5.5 ⇒ 8 ⇒ 8