PiPiちゃんの災難 2
(物欲に我を忘れた草一の独白)
PiPiちゃんに新しい服を買ってやろう。む、選ぶのにえらく時間がかかってるな。もうどれくらい『現実作り』をやってないだろう…。おお! この旧英国領の洋服店にはいい品がそろっている。香港か。発注を出すのに手間がかかりそうだな。しかし、これもPiPiちゃん可愛さのためだ。これを着たらみんなが振り向くぞ、ヒヒヒッ…。
(『顔の無い都市』のミク現われる)
「PiPiちゃんがそれを望むかしら? PiPiにとっては、可愛い洋服よりも、草ちゃんとの『現実作り』が一番大切ではないかな。最近、PiPiの顔をしっかりと見た?
ねえ、PiPiの声を聴いて! それはあなたの中にある。
~~
PiPiは『顔の無い都市』からの使い
あなたは、やれ『天使が来た』と諸手を挙げて喜んでいるけど、
『顔の無い都市』の存在は、すべからく天使とも成れば悪魔とも成る ~~
もし間違えば、草ちゃんはPiPiを全くダメにしてしまうかもしれないよ…。かつて、あなたが住んでいた『顔の無い都市』の秘密クラブ『夕日の塔』のときのように…」
僕が『顔の無い都市』の住民だった? 『夕日の塔』? 一体、何のことだい…