PiPiちゃんの災難 4
(事務所に出勤する草一。中の様子がおかしい)
PiPiちゃん!
「せんせい…」
「せんせい、わたし悪魔になんかなりたくないよ。欲望なんて食べたくない。だから、たとえ飢え死にしたって、『現実作り』だけがトウキョウでのわたしの食べ物」
PiPiちゃん、僕が悪かった。欲望や虚栄心に惑わされていた。
-『現実作り』の巡礼路、
これが一番大切だって事を忘れていた。
「PiPiは、生まれたときにお人形作家さんが愛情を込めて作ってくれたピエロの装束とせんせいがくれた今のメイド服で満足してるよ。お洋服みたいに目には見えないけど、『現実作り』の方がずっと大切だよ」
わかった。PiPiちゃん。『現実作り』の巡礼路に戻るよ。欲望でも虚栄心でも不安でも憎しみでもなく、たとえ孤独にあろうとも、ただ自分の信じる『現実作り』の巡礼路を進もう。
「はい。せんせい。わたしが一緒にいますから」