地下室のPiPiちゃん
(草一 いそいそと紙包みを出す)
「せんせい、うれしそうな顔して何を買ってきたんですか(ひょっとして、PiPiのクリスマスプレゼント?! ドキドキ...)」
商人から戦闘訓練に使う武器を仕入れてきた。先週来れば2割引だったのに、なんてふっかけてきたよ。なんと、巻物1巻がPiPiちゃんのお洋服1着と同じ値段だった。
「あら、まあ!」
これで当分、PiPiちゃんのお洋服は買ってあげられそうにないなあ。貧乏事務所で、苦労かけるね。
「ふふっ、せんせい。PiPiにとって一番のプレゼントは、『現実作り』ですよ。PiPiは、そのためならスッポンポンでもかまわないのです」
PiPiちゃん...
「グゥー、ムニャムニャ、ウマイ...」
「あっ、いっけな~い! PiPi、地下資料庫の見回りしなきゃ」(小走りで出ていく)
(ここは草月事務所地下に広がる広大な資料庫)
「どこまで降りてけばいいかな」
「あっ...、あった!」
「わぁ、ここにも!」(地下庫に張り巡らされたパイプのバルブから水が漏れていた。すぐ下の書棚には『カサノヴァ回想録』が並んでいた)
「『現実作り』で無理をすれば、いろんな所に亀裂が生じて水漏れしちゃう。でも、なんとか地下階層を制御してみせるわ!」
「せんせいの『現実作り』は、PiPiの祈りなんだから」