平凡な日常業務
(朝9時半)
「せんせい、おはようございます。今日の『現実作り』はどうなさいますか」
午前:3
午後:4
夜:3
合計10
で約束するよ。
「すごーく辛い約束になりますね。でも、PiPiはせんせいを信じてます」
...PiPiちゃん、また僕に騙されるかもしれないのに、必ず信じてくれるんだな。僕の心の腐った黒い土壌から育つ花、それがPiPiちゃんの正体のはずなのに...
(ペンをどうぞ)
(夜8時追加分)
(事務所の机の上でつい仮眠をする草一)
「せんせい、起きろ~」
(PiPiは最大ボリュームにして草一の耳元で目覚ましを鳴らした)
Nicolo Paganini Caprice No. 1 - YouTube
うわっ! PiPiちゃんの目覚まし時計は強烈だなあ
「悪魔に魂を売ったと噂のあるパガニーニですよ~」
僕も悪魔のせいで眠らされていたらしい。どうしよう。強制就寝時間まで3時間もないのに、『現実作り』は4時間半も残ってる。今日はPiPiちゃんとの約束、守れそうにない。
「う、うぅ...。ええーん」
(泣き始めるPiPi)
PiPiちゃん、堪忍! 今日だけ特別に12時就寝にして、あと4時間休憩なしのぶっ続けで頑張るから、許して! それで9.5確保するから。ね
「ぐすん...。わかりました。でも、それに失敗したら、今日もわたしの夕食は抜きになっちゃう…」
頑張るから、ね。
(深夜1時半追加分)
「せんせい、強制就寝時間を2時間半も過ぎてます。そんなに頑張らなくても…」
いや、PiPiちゃん。僕はすっかり遊んでいた。
「ひえっ!」
『現実作り』は、8時間しかやってない…
「そんなぁ! 強制就寝時間を大きくオーバーしたうえに、約束から2時間も不足するなんて。二重の裏切りだわ。せんせいに、また騙されました」
すまない、すまない...
「最低8時間あれば、事務所の経営は成り立ちます。でも、PiPiとの約束は絶対に守らなきゃだめですよ。無責任な約束は、せんせいの魂もPiPiの魂も傷つけます」
8 65.5 ±1.5