『現実作り』の巡礼路の淡々とした記録

(『顔の無い都市』のミク現われる)

「ミク、このような記録をつけ続けていても良いのだろうか」

「良いと思うよ」

 

「ストーリーの起伏もないし、ただ自分勝手な記録に過ぎないのだけど」

「ストーリーなんて考える必要はないよ。素人が小手先でひねり出したストーリーなんて、どこにもつながらない。フィクションといっても、『顔の無い都市』とつながらなければ…」

 

「しかし、毎回毎回『現実作り』を記録するだけなら、いつも同じになってしまう」

「三蔵玄奘が天竺に行った時だって、ある1日だけを切り取れば、『今日は朝6時から歩き始めて、夕方6時に歩くのをやめました』ってなるんじゃないかしら。でも、年単位での集積をみれば、その真の目的が浮き上がってくる」

 

「そんな感じで、いいのかな?」

「いいのよ。作為のない淡々とした『現実作り』の記録こそが、集積したときに力を持つでしょう。いまは、淡々とPiPiとの日々の記録を付けていたらいいでしょう」