悪魔が草一にささやく
(草月事務所に休日出勤する草一 そこにPiPiの姿はない。一人薄暗い事務所の机に座る草一に、悪魔がささやく)
「面倒だから、PiPiなんて無視しちゃえよ。こんな記録を付けるのはもうやめて、マイペースで自由に勉強したらいいぜ。
『現実作り』?
そんな言葉はゴミ箱に捨てちまえ。旦那のやっているのは、単なる受験勉強にすぎない。『現実作り』なんて観念は、このトウキョウでは通用しねえぜ、旦那
PiPi?
ああ、ボークス社製のソフビ人形のことですか。あんなの、玄関で埃をかぶって放置されている日本人形と同じですぜ。
なんなら、あっしがPiPiの魂を抜いて、平凡な一商品に戻すのをお手伝いして差し上げます。
すべては旦那次第…。ヒッヒッヒ~」
(悪魔は、去り際、ご丁寧にも「悪魔のささやき」という曲をかけていった)
Nicolo Paganini Caprice No. 13 - YouTube