猫おじさんとPiPiのティータイム
(草一、草月事務所の窓から枯葉を眺めつつ、珈琲を飲む)
「は~、うまい」
Flickr: mhaithaca's Photostream
「…。ソウイチのやつ、何を美味そうに飲んでおるのじゃ? 自分だけ楽しみおって…」
(翌日)
「PiPi、ソウイチがいつも飲んでる、あれは何じゃ?」
「え? コーヒーよ」
「なんと! あれがコーヒーか。ソウイチのくせにしゃれ込みおって。よーし、PiPi。わしらもコーヒーを飲むぞ」
「え~?! 猫おじさんには、無理よ!」
「何を言うか! 珈琲と新聞は紳士のたしなみじゃ」
「でも確かに、PiPiもティーセット欲しいなあ…」
「お隣のお姉ちゃん、とっても素敵なティーセット持ってるのよ。うらやましいなあ」
「なんだ、そんなもんが欲しいのか?! ほれ」
「わあ~! これ、どうしたの?!」
「この前の大掃除で出てきたんじゃ」
「さあ、これなら出来るじゃろ。コーヒーを淹れてくれ!」
「もう! ぜったい、わたしたちには飲めないわよ」
「人間が飲むもんだ。うまいに決まっておる。さあ、PiPiも飲め」
「もう、無責任なこと言っちゃって」
「グビグビ、ゴク…」
「ぎゃあ!」
「ちょっ、猫おじさん大丈夫?! ひぃっ!」
「ま、まずい…」
(その後、草月事務所では二度とティーセットが使われることはなかったという…)