最終大戦終結。そして、『現実づくり』の巡礼路はつづく。
ある秋の午後、郵便馬車が草月事務所へと急いでいた。
うむぅ……。スヤスヤ、ウマイウマイ。
ドンドン(戸を叩く音)
郵便送達官「半月先生、いらっしゃいますか。王宮からの伝令です。至急出頭をお願いします」
PiPi「お茶を淹れて……、あら? 騒がしいわね。なにかしら」
郵便送達官「これはPiPiちゃん。今日も可愛いね! こちらの親書を半月先生に。至急王宮までご出頭下さい」
「王宮からの親書?」
「あっ!」
「ちょっと、猫おじさん起きて! たいへんよ!!」
「な、なんじゃ? エサの『三つ星ジュレ』の箱がもう届いたのか?」
「そんなんじゃないわよ! この郵便を見て」
「三つ星ジュレ以上に重要な郵便物なんてあるのかね? あっ!!!」
「これは忙しくなるぞ! いくさの準備だ」
「もう、猫おじさん。こんな時に食べてどうするの?! すぐに先生に知らせなきゃ」
「わかった」
帝都司法省
半月草一は証書を授与された。これにより長きにわたる最終大戦は終わったのである。
(庭のあるレストランで)
「PiPiちゃん、猫おじさん、いままでありがとう!」
(猫おじさん、黒ビールとステーキを楽しみながら)
「で、これからどうするのじゃ?」
「まずは司法修習を受けるため、全国各地の裁判所へ配属されます。そのあとは……」
「そのあとは………?」
(半月、微笑しながら)
「ふふっ。もちろんトウキョウへ戻ってきますよ!」
「せんせい……!!」
半月「みんなで一緒に本当の草月法律事務所を作りましょう!!」
(一同喝采)
わぁーっ!!!
こうして半月草一とPiPiちゃんと猫おじさんの『現実作り』の巡礼路は完成した。いや、まだこれからが本番なのかもしれない。
トウキョウの片隅のアパートの一室。草月法律事務所はひっそりと開いている。その先生の机の上には、皆を見守るようにいつもPiPiちゃんが立っているといいます。
『現実作り』の巡礼路 ~~おしまい