PiPiのひとりごと ~発動
(PiPi 暗い事務所内で『現実作り』に熱中する草一を眺めながら)
「PiPiが『顔の無い都市』からここへやってきて、かれこれ半年になる。せんせいの『現実作り』は、だいぶ深まってきたみたいね」
「晩秋は古来賑やかな季節で、せんせいも旧交を温めたり、なにかと浮き足立っていましたが...」
「しかし、季節は過ぎ、これからは白く乾いた静かな冬がつづいてく...」
「そろそろ、『現実作り』の巡礼路の深いルートに潜ってみようかしら」
「この辺りで深い道へ分け入らなければ、せんせいは、たぶん今後一生『顔の無い都市』に戻れない。やるなら今しか...」
「少しPiPiと一緒に世俗を離れなければなりませんが」
(草一、PiPiに導かれるようにして『現実作り』の巡礼路の深い道へ分け入って行く。以後、記録消失...)